会社の「人」と「仕事」をAIで記事化する方法

「更新するネタがない」は、ネタに気づいていないだけ

ホームページに載せるものがない

「うちは新商品も出さないし、ニュースもないし、ホームページに載せるものがない」——中小企業の経営者やWeb担当の方から、この言葉を本当によく聞きます。

ブログやお知らせ欄を作ったものの、投稿しているのは年末年始の休業案内だけ。

会社概要と事業内容を載せたまま、もう何年も更新していない。

そんな状態に心当たりはありませんか。

実は、ホームページの更新に特別なニュースは必要ありません。

「更新するネタがない」は、ネタに気づいていないだけ

あなたの会社で毎日働いている「人」と、その人たちが当たり前にこなしている「仕事」そのものが、お客様・取引先・求職者にとって最も知りたいコンテンツです。

しかも今は、AIツール(ChatGPTやClaudeなど)を使えば、ちょっとしたメモや雑談の内容を、読みやすい記事に仕上げることができます。

ライターに外注する必要も、制作会社にその都度費用を払う必要もありません。

この記事では、社内に眠っている「人」と「日常」を活かして、ホームページのコンテンツを手軽に作る3つの方法を、具体的な手順・AIへの指示文つきで紹介します。

「人」と「日常」を活かして、ホームページのコンテンツを手軽に作る3つの方法

【方法1】社員インタビュー記事をAIで作る

なぜ社員インタビューは「更新ネタ」として優秀なのか

なぜ社員インタビューは「更新ネタ」として優秀なのか

社員インタビューには、更新ネタとして見逃せない利点があります。

まず、社員の数だけネタがあるということ。

10人の会社なら10本分、30人なら30本分のコンテンツが眠っています。

月に1人ずつ取り上げれば、それだけで年間12本の記事になります。

シリーズ化すれば「次は誰だろう」と定期的に読んでもらえるコンテンツになりますし、会社の雰囲気が自然と外に伝わります。

「こんなの誰が読むの?」と思うかもしれません。

しかし、実際にはお客様が「取引先にどんな人がいるのか」を知りたがっていますし、求職者は「この会社で働いたらどんな人と一緒になるのか」を一番気にしています。

社員インタビューは、その両方に応えられるコンテンツです。

具体的な手順

具体的な手順

【ステップ1】AIに質問リストを作ってもらう

インタビューで何を聞けばいいか迷う必要はありません。AIに職種・社歴・記事の目的を伝えれば、最適な質問リストを作ってくれます。

以下のような指示文(プロンプト)をAIに渡してみてください。

業種、職種、社歴などはあなたの会社に沿った内容に変更してください。

あなたは中小企業のホームページ用コンテンツの編集者です。
以下の社員のインタビュー記事を作りたいので、質問リストを10個作成してください。

会社の業種:電気工事業
対象社員の職種:現場の施工管理
社歴:入社5年目
記事の目的:会社の雰囲気と仕事のやりがいを伝え、求職者と既存顧客の両方に読んでもらいたい
トーン:堅すぎず、人柄が伝わる親しみやすい文体

質問は、仕事の内容だけでなく、入社のきっかけ、日々の工夫、印象に残っているエピソード、プライベートの過ごし方なども含めてください。

【ステップ2】インタビューを実施する

本格的な取材は不要です。休憩時間に15分ほど雑談する感覚で大丈夫です。

スマートフォンの録音アプリでやり取りを録音するか、話を聞きながら箇条書きでメモを取ればOKです。

「一言一句正確に記録しなければ」と気負う必要はありません。

要点さえ残っていれば、AIが記事にまとめてくれます。

【ステップ3】メモをAIに渡して記事にする

箇条書きのメモや会話の要点をAIに渡し、読みやすいインタビュー記事に仕上げてもらいます。

以下は社員インタビューのメモです。
これをもとに、中小企業のホームページに掲載する社員インタビュー記事を作成してください。

【条件】
文字数:800〜1,200文字程度
形式:Q&A形式(質問→回答の繰り返し)
トーン:親しみやすいです・ます調。話し言葉のニュアンスを適度に残す
冒頭に社員の簡単なプロフィール紹介(名前・所属・社歴)を入れる
最後に「編集部から一言」のようなまとめを2〜3行入れる

【メモ】
- 入社のきっかけ→手に職つけたかった、求人サイトで見つけた
- 仕事内容→住宅の電気配線工事、現場の段取り
- やりがい→お客さんから直接ありがとうと言われる
- 大変なこと→夏の屋根裏作業が暑い
- 会社の好きなところ→先輩が丁寧に教えてくれる、社長との距離が近い
- 休日の過ごし方→釣り、子どもと公園

AIが出力した記事は、必ず本人に確認してもらいましょう。

内容に間違いがないか、公開されたくない情報が含まれていないかをチェックし、書面やメールで掲載の承諾を得ることが大切です。

更新計画の具体例

月1人ペースで社員インタビューを公開すれば、年間12本のコンテンツになります。

社員15名の会社なら、一巡するのに1年以上。

2周目は「入社時と今で変わったこと」など切り口を変えれば、同じ社員でも新しい記事になります。

個人情報・肖像権への配慮

個人情報・肖像権への配慮

社員インタビューや写真の掲載には、必ず本人の同意を取得してください

掲載内容の事前確認と承諾のプロセスは省略できません。

実名や顔写真の公開が難しい場合は、イニシャル表記(例:施工管理 T.Kさん)やシルエット写真、イラストアイコンで代替する方法もあります。

退職時の取り扱い(記事を残すか削除するか)も、あらかじめ社内でルールを決めておきましょう。

【方法2】「こんな会社です」を伝える会社紹介コンテンツをAIで作る

【方法2】「こんな会社です」を伝える会社紹介コンテンツをAIで作る

よくある会社紹介ページの問題点

多くの中小企業のホームページを見ると、会社紹介ページには「沿革」「資本金」「従業員数」「組織図」といった事実情報だけが並んでいます。

これらは必要な情報ですが、それだけではお客様や取引先が本当に知りたいことに応えられていません。

相手が知りたいのは、「この会社はどんな考えで仕事をしているのか」「どんな人たちが働いているのか」「信頼して仕事を任せられる雰囲気なのか」ということです。

具体的な手順

具体的な手順

【ステップ1】AIに「インタビュアー役」をしてもらい、会社の魅力を引き出す

経営者の頭の中には「うちの会社らしさ」がたくさんあります。

でもそれを文章にするのは意外と難しいものです。

そこで、AIにインタビュアー役をやってもらい、対話の中で言語化していきます。

あなたは中小企業のブランディングに詳しいインタビュアーです。
私は従業員20名の税理士事務所の代表です。
ホームページの会社紹介ページをリニューアルしたいのですが、何をどう書けばいいかわかりません。
以下のテーマについて、1つずつ質問してください。私が答えたら、次の質問に進んでください。

1.この事務所を開業した理由・想い
2.仕事をする上で一番大切にしていること
3.お客様からよく言われる「うちの事務所らしさ」
4.社員に日頃から伝えていること
5.社内で自然と生まれている文化や習慣(例:毎朝の朝礼で何を話す、お客様対応で必ずやっていることなど)
6.「この会社で働いていてよかった」と社員が言ってくれたエピソード

全ての質問が終わったら、回答内容をもとに、会社紹介ページ用の文章案を3つのブロック(①代表メッセージ ②私たちが大切にしていること ③社内の日常風景)に分けて作成してください。

AIとの対話で出てきた内容を、そのまま文章化してもらえます。

出力された文章をベースに、「ここはもう少しこう言いたい」と修正を重ねていけば、自社らしい会社紹介が完成します。

【ステップ2】複数ページに展開する

AIが作成した文章を、以下のようなページ構成に分けて掲載しましょう。

  • 代表メッセージ:経営者の想いや経営方針を伝えるページ
  • 私たちが大切にしていること:仕事の姿勢や価値観を3〜5項目で整理したページ
  • 社内の日常風景:朝礼の様子、ランチタイム、勉強会など、日常のエピソードを紹介するページ

【ステップ3】公開・運用する

会社紹介コンテンツは、一度しっかり作ればそう頻繁に更新する必要がありません。

年に1回見直す程度で、長く使い続けられる「資産型コンテンツ」になります。

最初に手間をかける価値は十分にあります。

【方法3】「一日の仕事の流れ」紹介コンテンツをAIで作る

【方法3】「一日の仕事の流れ」紹介コンテンツをAIで作る

なぜ「一日の流れ」は更新ネタの宝庫なのか

「一日の仕事の流れ」は、見過ごされがちですが、実は非常に使い勝手の良いコンテンツです。

職種ごとに作れるので、営業・製造・事務・配送など、部門の数だけ記事が生まれます。

さらに、繁忙期と通常期で内容を変えたり、新人とベテランで違う切り口にしたりすれば、同じ職種でも複数のバリエーションが作れます。

そしてこのコンテンツは、読み手によって異なる効果を発揮します。

お客様には仕事の丁寧さが伝わり、取引先には現場の対応力が伝わり、求職者には「この会社で働いたらどんな1日になるのか」という具体的なイメージが湧きます。

具体的な手順

具体的な手順

【ステップ1】社員に「今日やったこと」を時系列で聞く

対象の社員に、ある1日の行動を時系列で教えてもらいます。

メモでもチャットでも、箇条書きで十分です。

例(食品製造工場の製造スタッフの場合):

  • 7:30 出社、着替え
  • 7:45 朝礼、当日の製造計画確認
  • 8:00 原料の計量・仕込み開始
  • 10:00 休憩
  • 10:15 充填ラインの稼働チェック、製造開始
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 午後の製造、品質チェック
  • 15:00 ライン清掃・片付け
  • 15:30 日報記入、翌日の準備
  • 16:30 退社

【ステップ2】メモをAIに渡して記事にする

メモを取ったら以下のようなプロンプトでAIに指示をして時系列メモから「一日の流れ」記事へ変換します。

以下は、食品製造工場で働く製造スタッフの一日の流れをメモしたものです。
これを、会社のホームページに掲載する「一日の仕事の流れ」紹介記事にしてください。

【条件】
- タイムライン形式(時刻+見出し+2〜3行の説明文)で構成する
- 仕事の丁寧さ・チームワーク・安全管理への意識が伝わるように書く
- 読み手はお客様・取引先・求職者を想定
- トーン:明るく親しみやすい、です・ます調
- 文字数:800〜1,000文字程度
- 冒頭に「このコンテンツでどんな職種の一日を紹介するか」を簡潔に書く
- 末尾に「この記事を読んで当社に興味を持った方へ」のような一言を添える

【一日の流れメモ】
(ここに箇条書きを貼り付ける)

【ステップ3】見せ方を工夫して公開する

記事はタイムライン形式(時刻を左に、内容を右に配置するレイアウト)にすると、視覚的にわかりやすくなります。

写真を添えられればベストですが、なくても十分成立します。

機密情報の取り扱い

機密情報の取り扱い

「一日の流れ」を公開する際は、業務上の機密情報をどこまで出すかを事前に判断してください。

具体的な判断基準としては、「取引先の固有名詞」「製造工程の細かいノウハウ」「セキュリティに関わる情報」は伏せるのが原則です。

逆に、「仕事の大まかな流れ」「チームで協力している様子」「品質への姿勢」などは積極的に出して問題ありません。

迷ったら「競合他社に見られても困らない内容か」を基準にすると判断しやすくなります。

3つの方法を合わせれば、年間20〜30本の更新が見えてくる

3つの方法を合わせれば、年間20〜30本の更新が見えてくる

ここまで紹介した3つの方法を組み合わせると、年間の更新本数は次のようになります。

  • 社員インタビュー:月1本 × 12か月 = 12本
  • 会社紹介コンテンツ:初回に3〜5ページ作成 + 年1回見直し = 3〜5本
  • 一日の流れ紹介:職種別・季節別に = 6〜12本

合計すると、年間で約20〜30本のコンテンツが生まれます。

「更新ネタがない」と思っていたホームページが、月に2〜3回は新しい記事が出る「生きたサイト」に変わるのです。

しかも、どの方法にも特別な出来事は必要ありません。

社内の「当たり前」をコンテンツに変えるだけです。

AIを使えば、1本あたりの作業時間は30分〜1時間程度で済みます。

まず今日やること

まず今日やること

この記事を読んで「うちでもできそうだ」と感じたら、今日中にひとつだけやってみてください。

社内で一番話しやすい社員に「ちょっと15分だけ話を聞かせて」と声をかけて、スマホで録音またはメモを取る。

質問リストはAIに作ってもらえます。

メモを渡せばAIが記事にしてくれます。

まずは1本、試しに作ってみてください。

「こんなの誰が読むんだろう」と思っていた内容が、意外なほど反響をもらえるはずです。

よこぜき行政書士事務所