ホームページのプロフィール欄、空欄のままになっていませんか。会社の紹介やサービスの説明はスラスラ書けるのに、自分のプロフィールだけは手が止まる。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ChatGPTに"インタビュアー"になってもらう、新しいプロフィール作成の方法を3つの使い方に分けてご紹介します。
「自分のことは、いちばん書きにくい」んです
ChatGPTにインタビューしてもらうプロフィール作成とは、自分で書く代わりにAI(人工知能)の質問に答えることで、話した内容から下書きを作れる方法です。ただし、AIが話を誤解したり、入力していない経歴を補ってしまうこともあるため、公開前の本人確認は欠かせません。プロフィールが書けないのは、あなたの文章力が足りないからではありません。自分のことは客観的に見えないので、「何を書けばいいのか」がそもそも分からないだけなのです。
私自身も、事務所のサービス紹介はすぐ書けたのに、自分のプロフィールだけは何ヶ月も後回しにしていました。いざ書こうとすると、経歴を並べるだけの味気ない文章になってしまうのです。
そこでおすすめしたいのが、「自分で書く」のをやめることです。代わりに、ChatGPTに あなたへインタビューしてもらう のです。人に質問されて答えるだけなら、不思議とスラスラ言葉が出てきます。その"話した言葉"を、AIが下書きに整えてくれます。
この記事では、代表プロフィール・スタッフ紹介・専門家プロフィールという3つの使い方を紹介します。なお、ここではChatGPTを例にしますが、ClaudeやGeminiなどのAIツールでも同様の作成は可能です。ただし、個人情報や業務情報を入力する前に、各サービスの規約やデータの扱いを一度確認しておくと安心です(この点は記事の後半でくわしく触れます)。
そもそも文章を書くこと自体に苦手意識がある方は、AIでホームページの文章作成を楽にする方法もあわせてご参照ください。
[画像挿入推奨: パソコンの前でプロフィールが書けず悩む経営者の様子]
【方法1】代表・経営者プロフィールを"インタビュー"で引き出す
ホームページを訪れた人が、最初に見るページのひとつが代表プロフィールです。「どんな人がやっている会社なのか」を知って、信頼できるかどうかを判断しているのです。ここでは、書けずに困りがちな代表プロフィールを、対話で引き出す手順を紹介します。
ステップ1|プロフィールの"材料"は自分の頭の中にある
プロフィールに必要な材料は、実はすべてあなたの中にあります。起業のきっかけ、仕事で大切にしていること、お客様への想い。これらをうまく言葉にできなくても、まったく問題ありません。
「工務店を始めたのは、地元の古い家を残したかったから」。この程度のメモで十分です。整った文章にする作業は、あとでAIに任せます。
ステップ2|ChatGPTに「1問ずつ質問して」と頼む
ここがいちばんのコツです。ChatGPTに「プロフィールを書いて」と頼むのではなく、「私にインタビューして」とお願いします。一度にまとめて質問させず、1問ずつ聞いてもらうと、会話のように答えを深掘りできます。
答えは話し言葉のままで構いません。「えっと、たしか3年前で……」のような口調でも、AIはある程度は汲み取って整理してくれます。ただし、意図と違う要約になることもあるので、あとで必ず読み返しましょう。
ステップ3|対話をプロフィール文に仕上げてもらう
ひととおり質問に答え終わったら、その対話をもとに文章へ整えてもらいます。以下のプロンプト(AIへの指示文)を参考にしてください。業種名の部分はあなたの業種に変更してください。
あなたは中小企業のブランディングを専門とするインタビューライターです。
私は工務店を営む経営者です。
自社のホームページに載せる「代表プロフィール(ごあいさつ)」を作りたいと考えています。
これから私にインタビューするつもりで、質問を1つずつ投げかけてください。
一度にまとめて聞かず、私の答えを受けて深掘りする質問を続けてください。
条件:
- 質問は一度に1つだけ
- 専門用語を使わず、話しやすい言葉で
- 「起業のきっかけ」「大切にしていること」「お客様への想い」「これからの展望」を順に引き出す
- 私が答えづらそうなときは、例を出して助けてください
まずは最初の質問をお願いします。
対話が終わったら、続けて次のように依頼します。
ここまでの対話内容をもとに、ホームページの「代表ごあいさつ」ページ用の文章を作ってください。
条件:
- 500〜700文字程度
- 「過去(きっかけ)→現在(今大切にしていること)→未来(これからの想い)」の流れで
- 読み手であるお客様が知りたいことを中心に
- 中学生でも読めるやさしい言葉で
- 事実に基づき、誇張しない
AIが出力した文章を読み、事実確認・微調整してから掲載しましょう。特に日付や経歴は、記憶で書かれてしまうことがあるので必ず見直してください。
[画像挿入推奨: スマホでChatGPTと対話しながら話す経営者]
【方法2】スタッフ・チーム紹介を本人に負担なく作る
スタッフ紹介ページは、集客や採用に役立つことがあるコンテンツです。「この人にお願いしたい」「こんな仲間と働きたい」と感じてもらえるからです。ただ、当のスタッフ本人は「書くことなんてない」と尻込みしがちです。そこでも、インタビュー形式が役立ちます。
ステップ1|スタッフが答えやすい"やさしい質問"にする
いきなり「あなたの強みは?」と聞かれても、人はなかなか答えられません。「この仕事で嬉しかったことは?」「休みの日は何をしていますか?」のように、答えやすい質問から入るのがコツです。
美容室なら「どんなお客様が多いですか?」、飲食店なら「まかないで人気のメニューは?」。こうした身近な問いから、人柄がにじみ出てきます。
ステップ2|ChatGPTに聞き役をしてもらいながらメモを取る
質問リストづくりもAIに任せられます。答えやすい質問を先に作ってもらい、それをもとにスタッフへ順に聞いていきます。回答はメモ書きで十分です。
ステップ3|紹介文に整えてトーンをそろえる
集めた回答を、紹介文に仕上げます。以下のプロンプトを参考にしてください。業種名の部分はあなたの業種に変更してください。
あなたは中小企業の採用・広報を手伝うライターです。
私は美容室を経営しています。ホームページのスタッフ紹介ページを作りたいです。
まず、スタッフ本人が答えやすいインタビューの質問を8つ作ってください。
条件:
- お客様が読んで「この人にお願いしたい」と思える人柄が伝わる質問
- 経歴自慢ではなく、仕事への姿勢や好きなことが出てくる質問
- やさしい言葉で、一問ずつ
回答が集まったら、次のように整えてもらいます。
以下はスタッフへのインタビューの回答メモです。
これをホームページのスタッフ紹介文(200〜300字)に整えてください。
条件:
- 温かく親しみやすいトーン
- お客様の安心感につながる内容を優先
- 複数スタッフ分を作るので、文体をそろえる
(この下に回答メモを貼り付ける)
AIが出力した文章を読み、事実確認・微調整してから掲載しましょう。なお、スタッフ紹介は本人の情報を公開することになります。公開前に、掲載する内容・写真・掲載する期間について本人に伝え、同意を得てから載せましょう(くわしくは記事後半の共通の注意もご覧ください)。
【方法3】専門家プロフィールで"信頼"を作る(強み・実績・用途別)
税理士・行政書士などの士業、治療院、講師業。こうした"人そのものが商品"になる仕事では、プロフィールの重要度が一段と高くなります。ポイントは、経歴を並べるのではなく「お客様にどんな価値を提供できるか」に翻訳することです。
ステップ1|実績・経験を棚卸しする
まずは材料集めです。これまで担当した件数、対応してきた業種、お客様から言われて嬉しかった言葉。数字にできるものは、メモ段階では概算で構いません(公開時には根拠のある数字に直します)。
「開業10年」「これまで200件以上のご相談に対応」。整骨院なら「延べ1万人以上を施術」のように、具体的な数字は信頼につながります。
ただし、ここで気をつけたいのが情報の扱いです。お客様の名前や相談内容、契約の中身などは、そのままAIに入力しないようにしましょう。実績を伝えたいときは「ある建設業のお客様から〜」のように、名前を伏せて要約すれば十分です。特に守秘義務のある職種では、この配慮が欠かせません。
ステップ2|数字とエピソードをChatGPTに引き出してもらう
棚卸しに行き詰まったら、AIに質問してもらいましょう。「他社と違う点は?」「お客様がよく相談してくる悩みは?」と聞かれることで、自分では当たり前だと思っていた強みに気づけます。
自社の強みの言語化そのものを深めたい方は、AIで自社の強みを言葉にする方法もあわせてどうぞ。
ステップ3|用途別(HP用/SNS用/名刺用)に整える
プロフィールは、載せる場所ごとに最適な長さが違います。一度に3パターン作ってもらうと便利です。以下のプロンプトを参考にしてください。業種名の部分はあなたの業種に変更してください。
あなたは専門サービス業のプロフィール作成が得意なライターです。
私は税理士事務所を営んでいます。
以下は私の経歴・実績・お客様の声(名前は伏せて要約したもの)のメモです。
これをもとに、信頼につながるプロフィールを作ってください。
経歴の羅列ではなく「お客様にどんな価値を提供できるか」が伝わる形にしてください。
次の3パターンを作ってください:
- ホームページ用(400字程度)
- SNS用(140字以内)
- 名刺用(80字程度)
(この下に経歴・実績のメモを貼り付ける)
AIが出力した文章を読み、事実確認・微調整してから掲載しましょう。資格名や実績の数字は、あとで必ず正確なものに直してください。
[画像挿入推奨: 名刺・ホームページ・SNSに並んだプロフィールのイメージ]
3つの使い方に共通する大切なこと
ここまで3つの使い方を見てきました。どれにも共通する、押さえておきたいポイントが3つあります。
共通すること1: プロフィールは「読み手が知りたいこと」中心に
プロフィールは、あなたが言いたいことを書く場所ではありません。読み手が知りたいことを書く場所です。自分の経歴を語る「自己紹介」とは違い、プロフィールは"読み手のために書く"ものだと考えてください。すごい経歴を並べても、「それで私に何をしてくれるの?」が伝わらなければ意味がありません。
過去・現在・未来の流れで書き、最後は「これからどうしていきたいか」という未来の話で締めると、前向きな印象が残ります。あわせて、顔写真は信頼感につながることがありますが、スタッフや専門家の写真を載せるときは、本人の同意を得たうえで掲載しましょう。
共通すること2: AIの出力はそのまま使わない・経歴は"盛らない"
ChatGPTは、話を自然に膨らませるのが得意です。それは長所ですが、事実にない実績や資格を、それらしく書いてしまうこともあります。
出力された文章は必ず読み返し、事実と違う部分を直してから掲載してください。特に経歴・資格・実績の数字は、正確であることが信頼の土台です。よく見せたいからと"盛る"のは、かえって信用を損ないます。AIで作った下書きは、あくまで下書きです。最終的には、あなた自身が内容を確認・編集し、責任を持って掲載しましょう。AIが作ったコンテンツを公開する際の注意点は、著作権法の基本的な注意点もご参照ください。
共通すること3: AIに情報を入れる前に、ひと呼吸おく
プロフィール作成では、自分やスタッフ、お客様の情報をAIに渡すことになります。便利な反面、入力する内容には少し注意が必要です。
氏名や連絡先、お客様の相談内容や契約内容といった個人情報・機密情報は、そのまま入力しないようにしましょう。実績を伝えたいときは、名前を伏せて要約すれば十分です。
スタッフ紹介や顔写真を載せるときは、本人に「どんな内容を・どこまで・どのくらいの期間載せるか」を伝えて、同意を得てから公開しましょう。
また、使っているAIサービスに、入力した内容が学習に使われない設定があるかも、一度確認しておくと安心です(設定はサービスごとに異なります)。
難しく考える必要はありません。「他人に見られて困る情報は入れない」——この一点を意識するだけで、多くのリスクは避けられます。
まず今日やること|最初の1アクション
ここまでいろいろお伝えしてきましたが、今日からできる一歩はとてもシンプルです。難しく考える必要はありません。
「起業したきっかけを、思い出すまま3行だけスマホにメモする」
まずはこれだけで十分です。文章として整っていなくて構いません。その3行を、明日ChatGPTに渡して「これをもとに私にインタビューして」と頼んでみてください。
自分のことを語るのは、少し照れくさいものです。でも、あなたが大切にしてきた想いは、必ず誰かの心に届きます。聞き役はAIに任せて、まずは気軽に話しかけるところから始めてみましょう。

